海へ帰れなくなったザトウクジラを人間が助けるべきなのか?

〜座礁したザトウクジラを見て感じた事〜

最近、ドイツの方で座礁したザトウクジラの記事を読んだ。
弱り切ったザトウクジラは、人間達によって海へ戻された。
でも、その数週間後に死んだという。
ニュースでは、
「救助は正しかったのか」
「自然に任せるべきだったのか」
そんな議論が起きていた。
でも自分が最初に感じたのは、少し違った。


ザトウクジラは、なぜ海へ帰れなくなったのか

なぜ、あれほど正確に海を回遊しているザトウクジラが、座礁したんだろう。
そっちの方がずっと気になった。
ザトウクジラは毎年、数千kmもの距離を移動する。
しかも、かなり正確に元いた海域へ戻ってくる。
海流。
地形。
地球の磁場。
色んなものを感じながら海を移動していると言われている。
そんな生き物が、海へ帰れなくなる。
それって、本当にただの偶然なのかな?と。
もちろん自然界では、
弱れば死ぬ。
生き残れなければ終わる。
それが自然の形なんだと思う。
冷たく聞こえるかもしれないけど、
座礁してしまったその個体の力は、そこまでだった。
そういう世界でもあるかもしれない。
でも同時に、
その“自然”そのものを、人間が変えてしまっている可能性もある。
爆速で向かってくるスクリュー音。
船に追われるストレス。
飛び交うレーダー。
海洋汚染。
人間の取りすぎによる魚の減少。
海流の変化。
潜水艦や船から出すソナーの音波だって、本当に無関係と言い切れるんだろうか。


ヒゲクジラ類は、本当に影響を受けないのか

「ザトウクジラはヒゲクジラ類になるからレーダーを当てても問題ない」
そんな話もある。
でも、それは人間側が決めた基準であって
もしかすると、
その影響を強く受ける個体もいるのかもしれない。人間だってそうだ。
強い光、紫外線を浴びるだけで生きられない人もいる。
無線や電波で体調を崩す人もいる。
気圧の変化で体調が悪くなる人もいる。
全部の人間が同じ強さじゃない。
海の生き物達だって、本当はそうなのかもしれない。
今回のクジラも、最初は網へ絡まっていたらしい。
その後、GPSのような装置をつけられていた事もあって同じ個体だと分かったという。
でも自分は、そこにも少し考えてしまった。


群れは、その変化をどう見ていたんだろう

もし突然、
身体に何かを付けられて帰ってきた仲間がいたら。
クジラ達は、それを本当に何も気にしないんだろうか。
人間で例えるなら、
突然どこかへ連れて行かれ、
身体に発信機みたいなものを付けられて帰ってきた人間を見た時、
周囲はどう感じるんだろう。
危険なものを持ち込むかもしれない。
何かおかしい。
そう警戒する事だってあるかもしれない。
もちろん、本当にクジラ達がそんな事を考えているかは分からない。
でも、
“絶対に影響はない”と言い切るのも、人間側の思い込みなのかもしれない。
もしかすると、
もう弱り切っていて群れから離れていたのかもしれない。
逆に、
何か理由があって群れから離れたのかもしれない。
自ら浅瀬へ向かった可能性だって、本当の事は誰にも分からない。
だから自分は、
「助けるべきだった」
「自然に任せるべきだった」
その結果だけで語る事自体、どこか違う気がする。
正直、自分なら出来る限りで助けると思う。
たとえ、その先で死んでしまうとしても。
浅瀬で動けなくなったまま終わるより、
最後はちゃんと海へ帰してあげたいと思ってしまう。
もちろん、
最初から「どうせ死ぬ」なんて思っているわけじゃない。
本気で助かってほしいと思う。
でも、もし座礁などで死んでしまったのなら
人間には、
その死をちゃんと調べる責任もあると思う。
なぜ座礁したのか。
海の中で何が起きていたのか。
人間は本当に無関係だったのか。
それを調べて、世の中へ伝える。
それができるのが人間だけだと思う。


ホエールフォール/クジラの死が海へ還る瞬間

クジラの死骸は、海では無駄にならない。
“ホエールフォール”と呼ばれるように、
海の底で多くの生き物達の命を支える。
死もまた、自然の循環の一部なんだと思う。
でもニュースを見ていると、
いつの間にか話は、
「救助は正しかったのか」
「自然に任せるべきだったのか」
そんな人間同士の“正義”の話ばかりが強くなっていく。
まるでクジラの死を使って、
人間同士が戦っているみたいにも見えてしまった。
自分は、
クジラの死を“かわいそう”だけで終わらせたくない。
そして、
人間同士の正義の道具にもしてほしくない。


本当に考えるべきなのは、
なぜこのクジラが海へ帰れなくなったのか。
海の中で、今何が起きているのか。
そっちなんじゃないかと思う。
そして、もしかすると。
クジラ達の群れの中では、
人間が「良かれと思ってやっている事」が、
逆に何かを壊し始めているのかもしれない。
そんな事を考えさせられたニュースだった。
参考記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ac26f700c012d6a226d483acca7e8089a450e2b

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