イルカは悪者なのか?海で起きている現実と、イルカ達は何を考えているのか

〜海で起きている現実〜

最近、宮崎県の漁業被害の記事を見かけた。
イルカによって養殖魚が食べられ、被害額は2500万円。
数字だけ見れば、とても深刻な問題だと思う。
実際、海で生活している漁師さん達にとっては死活問題なんだと思う。
でも、その映像を見ながら少し複雑な気持ちにもなった。
イルカ達もまた、海で生きるために魚を食べている。
人もイルカも、同じ海の中で生きている。
だから簡単に、「どちらが悪い」と言えない気がした。


イルカ達もまた、学習している

記事によると、イルカ達は泡を使って魚を驚かせ、網の近くへ追い込んでいるという。
これを見て最初に思ったのは、
「やっぱり学習してるんだな」
という事だった。
海の哺乳類達は、本当に賢い。
ザトウクジラは“バブルネットフィーディング”と呼ばれる方法で、泡の円を作り魚を追い込む。
シャチは波を使い、氷の上のアザラシを海へ落とす。
そしてイルカ達は、人間の養殖場から魚を取る方法を覚え始めている。
それは単なる本能というより、
 海の中で生き抜くために進化し続けている
ようにも見える。


群れの中で広がっていく知恵

一頭が偶然覚えたとしても。
なぜそれが群れ全体へ広がっていくのか。
そこが面白い。
「ここには魚がいる」
「こうやれば取れる」
そんな情報が、群れの中で共有されているようにも感じる。
最近は、ザトウクジラ達の“スーパーグループ”の記事も話題になっていた。
数百頭規模で集まり、新しい行動を見せ始めているクジラ達。
海の哺乳類達は今、人間が思っている以上に学び、適応しながら生きているのかもしれない。


ある意味、知恵比べ

漁師は魚を守るために工夫する。
イルカ達は、その対策を超えようと学習する。
また人間が新しい方法を考える。
きっとこれからも、その繰り返しなんだと思う。
でもそれは、ある意味お互いが生きるために進化している姿にも見える。
だから今回の記事を見て少し安心した部分もあった。
それは、「駆除」という方向ではなく、イルカ達との“知恵比べ”として向き合おうとしていた事。
もちろん被害は深刻だと思う。
でも、そもそも人間もまた海を利用し、自然を変えながら生きている。
だから簡単に、
「イルカだけが悪い」
とは思えなかった。


「自然に戻れ」という違和感

記事の中では、
「イルカには本来の自然な生活へ戻ってもらう」
というような言葉もあった。
もちろん言いたい事は分かる。
でも同時に、少し違和感もあった。
そもそも海に養殖場を作り、大量の魚を育てている時点で、それは本来の自然とは違う。
人間もまた、海の環境を変えながら生きている。
イルカ達から見れば、
「そこに大量の魚がいる」
ただそれだけなのかもしれない。
人間だって、広場の真ん中で何のセキュリティもなくお金を置いていたら、誰かが持っていく。
少し極端かもしれないけど、海の中でも起きている事は少し似ている気がした。


おかしくなっているのは誰なんだろう

最近は、熊が町へ出れば駆除。
海でも被害が出れば駆除。
もちろん、人間にも生活がある。
被害を受けている人達がいる事も分かる。
でも時々、
「おかしくなっているのは人間側なんじゃないか」
と思ってしまう時もある。
海も山も、本来は人間だけの場所ではない。
人もまた、自然を借りながら生きている。
その感覚を、少しずつ忘れ始めているのかもしれない。


イルカ達は、何を考えているんだろう

海へ入っていると、イルカ達の行動には毎回違いがある。
近くをゆっくり泳いでくる日。
ずっとこちらを見ている個体。
逆に、一定の距離を保ちながら離れていく日。
今までは、
「遊んでるのかな」
「ついて来れるのか試してるのかな」
そんな風に、自分達の感覚で見ていた。
もちろん、それもあるのかもしれない。
でも今回の記事を見ていると、
イルカ達にもイルカ達の目的や理由があるんだろうなと思えてくる。
人間が咥えているシュノーケルを、
「これは何なんだろう」
と観察しているのかもしれない。
こちらが思っている以上に、人間を見ているのかもしれない。
もちろん本当の事は分からない。
でも、自分はずっと、
「イルカ達は何を考えているんだろう」
という事を考えながら海へ入っている気がする。
相手が何を考えているか分からないと、ちゃんと付き合えない。
だから知ろうとしてしまう。
それは多分、これからも変わらない。


最後に

そう考えていると、
また、あの賢いイルカ達と泳ぎたくなってしまう。
でも次に御蔵島で出会った時は、今までとは少し違う感覚になるのかもしれない。
今まで以上に、
「向こうは何を考えているんだろう」
そんな事を考えながら、目を合わせて泳いでいる気がする。
もしかするとその時、また新しい“会話”が生まれるのかもしれない。
そう考えているだけで、次のドルフィンスイムが楽しみで仕方ない

参考記事
    宮崎のイルカ漁業被害ニュース(MRT/TBS NEWS DIG)

記事中で触れた「バブルネットフィーディング」や海洋哺乳類の学習行動に関する記事

 

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