海へ向かう理由を書いておこうと思う

なんでこんな人生になったのか、自分でもよく分からない。

でも振り返ってみると、昔から海のことを考えている時間だけは変わらなかった。

このサイトでは今まで、イルカやクジラ、海のことを書いてきた。

これからはそこに、少しずつ自分の人生のことも残していこうと思う。

たぶんこれは、海へたどり着くまでの話になると思う。


1984年、千葉県で生まれた。

子供の頃、鴨川シーワールドでイルカに触って写真を撮った。

その時のことは今でも覚えている。

あの頃からイルカが好きだった。

そこからシャチが好きになり、魚が好きになった。

家の前にあった小さなペットショップで見た海水魚に魅了され、図鑑を読み水槽を眺めながら魚の名前や生態を覚えていった。

夏になると、親に連れられて伊豆の海へ行った。

シュノーケリングをして、岩場の魚を追いかけていた。

今思えば、あの頃からずっと海へ向かっていたのかもしれない。


高校1年の夏で学校を辞めた。

その頃、家の中も色々と崩れていた。

気づけば、自分が実家のローンを払うようになっていた。

まだ17歳。

でも働くしかなかった。


20歳の時、父親が再婚した。

その時に言われた。

「マンションを買って貸してほしい」

実家の住宅ローンがあるから、自分ではローンが組めない。

だからお前名義で買ってくれ、と。

家賃としてローンは全額払っていく。

数年支払い実績を作れば、名義変更もできる。

お前が自分の家を欲しくなる頃には、すぐ返せるから心配するな。

そう言われた。

父親だからなにも疑わなかった。

20歳で3000万円のローンに判子を押した。


数年後、現実を知った。

父親の会社は借金だらけだった。

15人いた社員は全員辞め、残ったのは息子の自分だけ。

給料の未払いは100万円を超えた。

マンションの家賃も遅れ始めた。

当然、銀行への返済も滞った。

そして名義変更の話は消えた。

気づけば、自分の人生なのに、自分で選んだものがほとんどなかった。


24歳で会社を辞め、個人事業主として独立した。

一日20時間働いた。

朝も夜もなかった。

金もなかった。

明日の飯が買えるか分からない時もあった。

それでも働いた。

止まったら終わる気がしていた。


2012年、17歳のヒヨッコと出会った。

何もできなかった。

でも昔の自分を見ているようだった。

だから育てた。

仕事を教えて、現場へ連れて行って、一緒に会社を作っていった。

人も増えた。

仕事も増えた。

気づけば少しずつ前へ進み始めていた。


2015年頃、沖縄でダイビングのインストラクターをしていた“海の相棒”に誘われて沖縄へ行った。

中学高校の頃に付き合っていた人だった。

数年離れていたけど、不思議とまた海で繋がった。

そこで慶良間で体験ダイビングをした。

ハマらないわけがなかった。

自分が水槽の中で必死に再現していた“理想の海”が、本当に存在していたから。

透明な水。

光。

魚。

流れる時間。

全部が、自分の思い描いていた世界そのものだった。

休みのたびに沖縄へ行き

海に癒されて、また仕事を頑張った。

あの頃、海がなかったら壊れていた気がする。


海へ行くたびに、少しずつ考え方が変わっていった。

「本当にやりたいことは何なんだろう」

そんな事を考えるようになっていた。

でも現実には会社があった。

社員もいた。守らなきゃいけない人がたくさんいた。

簡単に海へ行ける立場ではなかった。

だから沖縄にダイビングショップを作った。

とはいえ、自分は千葉で建設業をしている。

実際は現地を任せていたのは、“海の相棒”だった。

自分は陸で働きながら、海へ向かう場所だけを少しずつ作っていた。


2016年、会社を株式会社にした。

下請けもできた。

社員も増えた。

少しずつ会社らしくなっていった。

でもその後、コロナが来た。

仕事が止まった。

それでも社員を休ませなかった。

資材置き場の片付けや、リフォーム、できる仕事を探して、とにかく会社に来させた。

もちろん簡単じゃない

掃除をしても会社をリフォームしても売り上げはない

コロナ禍で借りた3000万円を使いながら、人も会社も守った。

守る責任があった。


そしてコロナが終わった数年後。

ヒヨッコは突然独立した。

ヒヨッコに元請けを取られた。

元請けから未払いが起きた。

No.3も離れていった。

新しい元請けにも騙され、未払いが起きた。

正直、もう人に疲れた。


でもその頃には、海との向き合い方は変わっていた。

2020年か2021年頃だったと思う。

「クジラとも泳げるんだよ」

「野生のイルカとも泳げるんだよ」

そう相棒に教えてもらい、イルカの居る海へクジラの居る海へ行った。

そして人生が大きく変わった。

水族館じゃない。
ショーでもない。

本当に野生のイルカやクジラが目の前にいた。

海の中は、ただ無音で

イルカと自分しかいないような感覚。

心が無音になり、無心になれた瞬間だった。


たぶん昔から、何かあるたびに海へ導かれていたんだと思う

意識していたわけじゃない。
でも海へ行くと、少しだけ呼吸ができた。

癒されて、リセットして、また働いて。
気づけばずっと、それを繰り返していた。

そして今、ヨットでの生活を目指すようになった。

まだ準備中だし、責任も山ほど残ってる。

昔は海は“行く場所”だった。

でも今は、少しずつ“居る場所”へ変わり始めている。

海の目の前じゃなく、海の上で暮らしたいと思うようになった。

いい事も悪い事もたくさんあった。

たぶん、ここまで色々な事がなかったら、この選択肢は生まれていなかったかもしれない。

だからこれから、その海へ向かうまでを書いていこうと思う。

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